

小川しらす、鮮烈デビュー。渾身の筆で真摯にユーモラスに描く、十代の心の空腹。
教室からも家からもはぐれた少年少女たちが切実な孤独や渇望の先で触れる、しょっぱくてあたたかい出会いの物語を描く心震える読切シリーズ。
「あみかはポテトになりたかった」
毎日ポテトを食べている高校生の本田あみかはあまり喋らない。いつからこうなったんだろう。
寡黙なあみかの心に浮かぶのは、家族団欒だった日々のこと――。
「きみの絵を見ていた」
絵が得意な小学生のユキナリ。だがコンクールで選ばれたのは同級生るるれの絵だった。
ユキナリの渦巻く心は何色だろうか。幼心が疼く読切37p。
「グリンメロングリーン」
田舎の不良中学生りゅうしん。近所の川で見たお供え物がどうも気に障る理由は――。
ドブ川の中から孤独をさけぶ、渾身の読切57p。
「カマせ! かまぼ光線銃」
クラスでないがしろにされている端地は、ある日謎の光線銃を手にしてしまう。
なんでも練りものに変えてしまうこの銃で、キラキラした同級生たちに向けるちいさな復讐の行先は。